うしろの正面だーあれ
「俺も、タケルの言う通りだと思うよ。…だから俺は、全て救おうとは思わない。」
「………………。」
タケルは、少し寂しそうに隆史を見た。
「…けど。」
隆史は続ける。
「全て救えないなら、自分で助けられるように手伝ってやる。
…結局、自分を救えるのは自分自身しか居ねんだよ。」
その言葉を聞いて、しばらく黙っていたタケルが口を開いた。
「…綺麗事 言うなよ。」
「え?」
「綺麗事で人を救えるか!?
そんなんで救えるなら、俺だってとっくに救ってるよ!」
「タケル…。」
隆史が呟いた後、タケルは一瞬 隆史を睨むと帰る支度を始めた。
病室を出る一歩前で立ち止まり、顔だけを横に向けて言った。
「お前に俺は、救えない…。」