うしろの正面だーあれ
「咲子、お弁当食べよ!」
朝子が弁当箱片手に咲子の前の席に座った。
「うん…。」
明らかに元気の無い咲子の顔を、朝子はチラッと見た後、再び目線を弁当箱に移した。
「今日 休んでるね、隆史。」
「…うん。」
「…喧嘩でもした?」
母親お手製のタコさんウィンナーをグサッと刺し、朝子は咲子を見た。
「喧嘩…っていうか…。
でも、今日 私だって学校行きづらかったのにさ。
ちゃんと来たんだよ?
…なのに何で隆史くんが休むのよ…。」
未だ弁当箱を開封していない咲子の代わりに朝子が開けながら、彼女は言う。
「何か理由があるんじゃないの?
愛する咲子が居る学校に、あいつが理由も無しに来ない訳 無いじゃん。…でしょ?奥さん♪」
そう言って、朝子は咲子の口に玉子焼きを持っていった。
「あ〜ん♪」
朝子が言うと、咲子は渋々 口を開いた。
「うじうじ悩んでも何も解決しないんだから、咲子は今やれることやりなよ。…ね?」
「今やれることって…?」
「あたしに数学のプリントを見せること♪次 当たるんだよね〜。」
「………………。」