うしろの正面だーあれ
ガラッ・・
1人、2人と増えていく。
次第にザワザワし始めたものの、咲子は別世界に飛んだままだ。
同じ姿勢を止めない。
ガラッ・・
教室の扉が開き、多くの者が一瞬目を移す。
ザワッ
一瞬のどよめきの後、それはそれは静かな静寂が訪れた。
息の詰まるような緊迫した中、扉を開けた主が躊躇いがちに口を開いた。
「おはよう…。」
彼女が言うと、静寂は破かれ、次から次へと言葉が投げ掛けられた。
「沙良〜!大丈夫なの!?」
「もう退院して良いの?」
「平気かよ?」
その問いに、安心したように笑顔で応える沙良さえも咲子の視界には入っておらず、頭の中はぐるぐると同じ言葉だけが巡り巡っていた。