うしろの正面だーあれ
「咲子も、おはよ…。」
朝子が躊躇いがちに言った。
「あっ…おはよ…。」
昨日のこともあり、2人の間には気まずい空気が流れている。
「…あれ!亀地じゃん!」
隆史が近付いてくる。
「あ、おはよ。」
「退院したんだ?おめでとう。」
「ありがと…。」
憂のことで、素直に喜べないのだろう。
沙良は複雑な顔をして笑った。
「…咲子は?まだ来てねぇの?」
「…あれっ?さっきまで居たのに…。トイレかな?」
朝子と沙良は顔を見合わせて首を傾げた。