うしろの正面だーあれ
「3・・2・・1・・」
キーンコーンカーンコーン・・
キーンコーンカーンコーン・・
授業の終わりを示すチャイムが学校中に鳴り響く。
どうやら彼の腕時計は秒針まで正確なようだ。
数学教師と入れ替わるようにして担任が入ってくる。
何も持っていないところを見ると、配る物は無さそうだ。
隆史の予想通り配る物は無かったし、話も短かった。
一斉にガタガタと席を立ち、教室を後にする中、隆史は沙良を呼び止めた。
「亀地…今日、ちょっと付き合えねぇ?」
「え?何で?」
珍しい人物からの誘いに、沙良は目を丸くした。
「憂の見舞い…行かね…?」
「うん、いいよ。行こっか。」
そう言って、沙良はくるりと反転し、教室の扉へ向かった。
「…あれ?行かないの?」
ついてこない隆史に、沙良は不思議そうに尋ねた。
「ちょっと疲れたからさ…休憩してから行こうぜ…。」
そう言って、隆史は自分の席へと腰を下ろした。