うしろの正面だーあれ



今日のところは憂を家に連れ帰り、明日 通夜が行われるという。



隆史は、立つこともままならない沙良を支えながら病院を後にした。



病院を出ると沙良は泣き崩れてしまった。



入り口付近は邪魔になる為、隆史は沙良の全体重を受けながら、とりあえず病院の敷地内にある公園に向かった。



そこには、見舞いに来た子ども達だろうか、無邪気に遊んでいる。



子ども達の甲高い笑い声が響く中、隆史は沙良をベンチに座らせ、自動販売機でジュースを2つ買った。



「…どっちがいい?」



泣いている沙良に愚問を落とす。



沙良は、涙で濡れた顔を上げる。



「…いや、ごめん。
泣いてるときってさ、どっちの方がいいのかと思って…。」



そう言って、隆史は冷たいスポーツドリンクと温かいココアを見せた。



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