うしろの正面だーあれ
「まさかお兄さんに命を奪われるとはねぇ…お気の毒に…。
最近の若い子は嫌ねぇ、怖くて。
あたしも気を付けなくっちゃ。」
「あの子達を引き取らなくて正解だったよ。莫大な遺産があるからって、養子が殺人犯なんてたまったもんじゃない。」
遺…産…?
ガタッと音を立てて、沙良は勢いよく立ち上がった。
「それ!どういうことですか!?」
沙良が巻くし立てると、髪の薄い小太りな中年男性は怪訝な顔をして「はぁ?何だ君は。」と言った。
「遺産ってどういうこと!?
憂のご両親は叔父さん達に預けただけじゃなかったの…!?」
沙良を切なげに見て、叔父さんは躊躇いがちに口を開いた。
「死んだんだよ…。
一喜と憂を預ける前に…。」