うしろの正面だーあれ



通夜が終わった直後、憂の親戚だろうか、互いに挨拶し合っている。



憂が死んだのに、どうでもいい世間話をしている。



憂の遺影を前にして笑っている。



人間の血が通っているのかと疑った。



そんな話、今しなくてもいいだろう?



張り付けたような笑顔も、今は要らないんじゃないのか…?



人が1人死んでんだぞ…。






ゴクッと涙を飲み込んで、握った拳は震えている。



血が滲みそうな程 唇を噛み締めて、俺は見た。



気の毒そうに、憂の叔父夫婦に声を掛ける親戚連中を。



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