うしろの正面だーあれ
辺りが薄ら明るくなり始めても、沙良が眠りにつくことはなかった。
溢れ出した涙を止めようとも拭おうともせずに、ただベッドの中で空を見つめた。
時間が経つにつれて、薄暗かった天井が、段々と白く変わっていく。
「沙良〜!」
母親の呼ぶ声が聞こえる。
それに反応する気力も無い。
体がだるい。
コンコンとドアをノックする音が聞こえ、間発入れずにドアが開く。
「沙良…」
ベッドの中で目も閉じず、人形のように固まったままの沙良を見て、母親は口をつぐんだ。