うしろの正面だーあれ



泣くことにも飽きる程、沙良は泣いた。



頭がぼぅっとして重い。



それでも むくりと体を起こし、時計に目をやる。



9時12分。



ふぅ・・と、深くも浅くもない溜め息を吐き、目を伏せる。



が、すぐに上を向く。



目を伏せれば、また涙が流れてくる。



沙良はしょっぱい涙を飲み込んで、ピシャピシャと両頬を叩いた。



部屋を出て洗面所に向かう。



鏡を見て、涙で腫れぼったくなった自分の顔を触る。



ふるふると首を横に振り、顔を洗って歯を磨く。



髪を丁寧にとかし、ブラシをコトンと置いた。



そして、部屋へ戻ると着慣れた制服に手を伸ばす。



朝食も食べずに家を出た。



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