うしろの正面だーあれ



始まるまで、まだ時間があった。



沙良はゆっくりと歩き、目についたコンビニに入る。



憂がいつも食べていた棒付きキャンディーを2つ手に取り、何とも言えない表情で眺めた後、レジに向かった。



コンビニを出て、ふらふらと憂が入院していた病院の敷地内にある公園に入る。



見上げてみても、どこが憂の病室なのかは分からない。



それがまた、今の沙良にとっては妙に虚しかった。



視線を落とすと、リストバンドが目に入る。



それを右手で軽く撫でた後、前を見据え、沙良は静かに立ち上がった。



時刻は10時30分。



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