うしろの正面だーあれ



パチッ



キヨが消えるのと同時に、手術中の赤いランプが消えた。



中から医者が出てくる。



キヨの母親は、期待と不安が入り混ざった、複雑な声で医者に尋ねた。



『キヨは助かったのか』と…。



医者は、暗い面持ちで首を横に振る。



キヨの母親の顔は みるみる歪んでいき、大粒の涙が頬に伝って道を造った。



泣き崩れるキヨの母親の体を、咲子と隆史の母親が支える。



その後ろで、2人は手を繋ぎながら 静かに頬を濡らした。



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