うしろの正面だーあれ



その会話を聞いた朝子の母親は、泣きながら怒り出した。



『あなた、朝子がいないことに気付いてたの!?
どうしてすぐに探しに行かないの!!あんなに不安定な子、心配じゃなかったの…!?』



突然浴びせられたその言葉に、咲子は傷付いた。



自分が1番よく分かっていた。



朝子を助けることが出来たのも、きっと自分だけだったと。



しかし、咲子は分からないフリをした。



傷付いた自分に気付かれたくなかった。



今、誰よりも傷付いているのは、自分ではないと分かっていたから。



心は ひっかき回されて ぐちゃぐちゃ。



血と涙で濡れている。



そんなボロボロの心を隠して、咲子は とぼけた。



ワ タ シ ナ ニ モ ワ カ ラ ナ イ



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