すべてはあの花のために⑥

side……


 深夜0時。

 コンコンと控えめにノックをする。
 けれど、きっともう中からの返事がないことはわかっていた。


 ガチャリと扉を開けると、そこにはとても綺麗な人がいた。
 でも、その人の瞳に光はない。


 どこか呆然としている綺麗な人の横に、そっとある箱を置いた。

 そこに掛けられた【黒と灰】の意味が書かれた一枚のメッセージカードと、薄っぺらい紙切れとともに。


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