すべてはあの花のために⑥
side……
深夜0時。
「そろそろ頃合いかと思います」
「そうか。まだ使えそうな気もしたがな」
「そうね。まだ上手く使う方法があったんじゃない?」
ある部屋で、何やら三人が話をしていた。
「いえ。ちょうどいいタイミングかと。この方法なら、ここがバレることも……まああるわけありませんけれど」
「お前も言うようになったな。……ふっ。そろそろか」
「やっとなのね。あーあ。待ちくたびれたわ」
そう言う二人の顔は、嬉しそうに、口角が異常に上がっている。
「残骸はきちんと経路を消して送りつけますわ。こんなところにあってもゴミになるだけですから」
「そうだな。それがいいだろう」
「そうね。そうしましょう」
「まああれも外れることなんてないでしょうし。……ふふふ。楽しみで仕方がありませんわ」
物影は、一枚の紙に何かを書き終わったあと。
「それでは、捨てて参りますので」
ひらりと身を翻して、一人その部屋を出て行った。
「……楽しみだな」
「ほんと。……楽しみだわ?」
部屋に残った二人は、にやりと薄気味悪い笑みを浮かべていた。