すべてはあの花のために⑥
わ、わたしが何をしたって言うん
生徒会室。
「お縄を頂戴したぞ!」
「ええ!?」
「おー(ぱちぱち)」
生徒会室に着くや否や、2年生組にぽ~いっとソファーに投げ捨てられた。それを見て1年生組からは何故か拍手が送られる。そして何故か彼らの手にはロープらしきものが。
「いてて……。って、え。何してるの」
「は? 何ってそりゃ」
「あんたが逃げないように」
「縄で縛ってあげてるんだよ~」
「いやいや、あのね? 最後可愛く言えば済むっていう問題じゃないんだよ?」
さっさとソファーから立ち上がらされた葵は、生徒会室一豪華な椅子へ強制的に着席。両手両足は椅子の脚と手すりに縛り付けられ、太ももと腰もしっかりがっちり固定された。
「「「うん。ばっちり!」」」
「いやいや! 流石にこれはどうなんだ?!」
葵は反論しようと思ったけど、縛った三人は2年生組がすでに座っているソファーへと一緒に腰を下ろしていた。
「はーい。これから罪人に洗い浚い白状してもらおうと思いまーす。撮影と実況はオレ、ヒナタでお送りしまーす」
「はい?! 罪人?! わたしはそんなものになった覚えは」
「どうやら罪人は自覚がないようです。これについてどう思いますかチカさん」
「最っ悪だな」
「ええっ!?」
「はい。次はオウリさん」
「まあ、知らない間に罪って重なるものだよね……」
「お、オウリくん!?」
オウリはというと、目元を服の袖で押さえていたけど、「はい」とヒナタからハンカチを出された。
「あ。大丈夫! 嘘泣き!」
「うん、まあわかってたけど」
「えー……」
まんまと引っ掛かったのは葵だけである▼
「わ、わたしが何をしたって言うん」
「はい、じゃあバカな罪人に報告してあげてください」
「いや、最後まで言わせ」
「ほら、早く。罪人うるさいったらないんだから」
「(ひ、ひなたくーん……)」
そう言ってヒナタは、どこかから持ってきたマイクをアカネに渡していた。