すべてはあの花のために⑥

爆発!?


「にしても、どうやって伝える? あっちゃんは秋蘭にどうやって返事伝えたの?」

「……手紙」

「そっか。文字にしたんだね」

「うん。だから、みんなにも言えないことは『書く』ことにする」

「でもあれだよね。きっかけが難しいね」

「はああああー……」

「あっちゃんしっかり!」

「どうしようキサちゃん。わたし、こんな面倒くさいキャラじゃなかったはずなのに……」

「え?」

「作者も、書いてて『なんでこんなぐずぐずしてるんだ』って思ってる」

「え」

「だから! こっから切り替えていこうと思います! 修行の成果を出さなくっちゃね!」

「え。修行……?」

「いつまでもどんよりしてたらダメだからね!」


 変わりようが激しかったので、キサは若干引いていましたけど。


「きっかけって?」

「こういうことって言い出しづらいから、何かあればと思ったんだけど」


「確かにそうだね……」と言ったあと、二人して悩んだ。


「……バレンタイン」

「ん?」

「いや、バレンタイン来月じゃん? それ使うのはどうかなと思って」

「で、でも一ヶ月以上あるよ? それまでみんなに何も言わないのは……」

「いや、あいつらにも仕返ししてやろうよ」

「え?」

「傷ついたのはあっちゃんも一緒じゃん」

「いや、これわたしの自業自得……」

「だからあいつらにお仕置き期限を設けちゃいたいと思います!」

「えー……」

「いいんだよ! だって勝手に嫉妬した奴らが悪いんだから! いい気味!」

「……キサちゃん。楽しんでるでしょ」

「うん! ばっかだなーって思ってる!」

「ありゃりゃ……」


 何故だろう。途轍もなく彼女の目がキラキラしているんだが。


「そっか! こんなこと考えるから女王様なのかあたし!」

「わ、わからないけど、キサちゃんがそう思うならそうなんじゃない……?」

「いいよね! あいつらの苦しんでる顔もっとみたい!」

「(ひっ、ひどい……)」


 葵は心底思いました。同性でよかったと。


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