すべてはあの花のために⑦

『オレの大事な奴がな、“オレの考える生徒会メンバー”なんだ』


 そう、チカゼに話を聞いて、助けてあげたいって思った。


 最初に再び花を開いたのは――――


          菊
          と
          牡
          丹。

          そ
          し
          て
          ツ
          ツ
          ジ。



《あーちゃん
 あっくんを
 助けてあげてほしいんだ》


 声の出ない、文字で必死に訴えてくるオウリからそう聞いた。


『今、彼を止めてあげられるのがあなたしかいないから呼んだのっ!』


 それからシントを動かして、アキラを説得させに行った。
 もうこの頃には気付いていた。もしかしてみんなは、……犠牲者なんじゃないかって。

 シントがアキラの兄だったこと。シントからちゃんと聞いた。
 隠してたつもりはないんだって。犠牲者だなんてこと、言いたくなかっただけなんだって。
 それが……自分のためを思ってだったことは、ちゃんとわかっている。気付いている。

 だからやっぱり、最高すぎる執事さんなんだ。


 次に開かせた花は――――


          蘭
          と
          百
          合。



『……誰かに言ってみろ。ただじゃおかないから』


 こんなアカネを見るなんて、初めてだった。
 でももう、迷わなかった。絶対に、助けてあげるって、そう思って踏み込んだ。


 夢の花を開かせたのは――――


          ア
          サ
          ガ
          オ。



『一緒に帰りたいけど帰れない。……アオイちゃんの近くにはいられないんだ』


 ここで、ちゃんとわかった。気付いた。……ああ。作戦は失敗したんだって。でも、犠牲者を出したんだって。
 勘違い……? 違う。悪いのは全部。……裏で操っていた自分なんだから。

 掬ってあげる。……つらい思い、させて。……ごめんなさい。


 土に埋もれ、再び開いた花は――――


          ナ
          デ
          シ
          コ。



『おれが小学校に上がった年。みんなより一年早く、おうりと出会ったんだ』


 君が声を失ったのも、自分のせいだ。赤なんかじゃない。本当に自分がやったんだ。
 そんな君のためなら、……何でもするに決まってるじゃないか。心が壊れたお母様の修復だってなんだって。

 殴られる気満々だったのに。……もう十分、強かったな。お母様。


 声とともに開いた花は――――


          サ
          ク
          ラ
          ソ
          ウ。



『……あ、っちゃんっ。……チカがっ。チカが、どこにもいないのっ』


 ……寂しかったね。……苦しかったね。
 絶対に見つける。必ず助けに行ってやるって。思ってた。

 もう、……大丈夫だからね。君にはみんなが。ついていてくれるんだから。


 孤独だった小さな花びらは――――


          ア
          ネ
          モ
          ネ。



『……。っ、俺だってっ。できることなら、やめたい……っ』


 もう、仮の姿なんてしなくていいんだ。
 今までよく頑張ったね。……お兄ちゃん。


『――触んな!』


 何度近づくなって言われても。何度拒否をされても。
 ……もう、絶対に諦めたりなんてしたくなかった。絶対に、守るって決めたんだ。

 だって、もう。みんなわたしの、友達なんだから。


 一枚花びらは欠けてしまったけれど。もう一度、綺麗な花を咲かせてくれたのは――――


          ア
          ヤ
          メ
          と
          ヒ
          ナ
          ゲ
          シ。


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