すべてはあの花のために⑦
挿文 太陽



 _______へ




 元気ですか?
 わたしは元気にしてますよ。
 って言っても、ついこの間だったからね。
 いきなり手紙来てビックリしちゃった?


【5月10日 午前11時 某チャペルにて】


 もうすぐ新歓だね! 準備は順調?
 折角わたしの案が選ばれたのに行けなくてとっても残念ですっ!


【わたくし 葵 と】


 あー。みんなに会いたいよ~。
 お家には、新歓が終わる頃に移動するみたいなので、もうちょっとだけひとりぼっちです……。


【道明寺家長男 藍 の】


 今回お手紙を送ったのは、一緒に同封してると思うんだけど、みんなの子供の頃の写真を貸しておこうと思って!


【結婚式が執り行われます】


 あれだよ! それ! わたしのだからね!
 絶対取りに帰ってやるんだから!
 それまで大事にとっておいてね~ん。


【信じてます】


 いつ頃になるかはわからないけど、
 汚したり!
 折ったり!
 無くしたりしたら許さないんだからー!


【気づいてくれること】


 ごほん。え? 体調悪いように見えない?
 あ、いたたた……。お、お腹の調子が……。
 あ! 昨日期限切れのお肉食べたからかも!
 みんなもちゃんと消費期限は見てねっ!


【大好きです】


 あれだよ! 消費と賞味は大違いだからね!
 ほんと、消費が切れてたら大変だから!


【みんなのこと】


 いっぱい楽しんできてね~。
 ちなみに! わたしのお勧めはある花畑なんだけど、流石にまだ咲いてないだろうな~……。
 またみんなで行こうね!


【いやです 消えたくない】


 それじゃあ、新歓と、それ以降の行事も頑張ってね!
 わたしも、一刻も早く帰れるように頑張って治すからね!


【こんな、罪で汚れきったわたしを】


 ほんじゃ!


【どうか】


 あばようっ!


【おねがいです】



             あおい

           【たすけて】
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