すべてはあの花のために❾
「ありがとう。それじゃあ本題ね」
『え? ほ、本題??』
「ちょっとね、そいついろいろ大変なんだよ」
『ざ、ざっくりだね……』
「それで、是非ユズにそいつとの会話を録音してもらいたい。もちろんそいつには絶対にバレないように」
『えっ? 話が繋がらないし! なんかおかしいよ?!』
「あいつの家複雑なんだよ。それでさ、そこが嫌だって言ってるのに出ようとしないんだ」
『は、はあ……』
「……そこからさ、助けてやりたいんだよ」
『ひなくん……?』
「その家から助けてあげるのに、そいつから話を聞かないと助け方がわからない」
『あたしは、ひなくんの言ってることが一向にわからないよ……』
「え? なんで? 助ける方法をあいつがオレらに話さないから、ユズになら話すかもと思ってお願いしてるんだよ?」
『……うんダメだ。まだ起きたばっかだからかな……』
「オレらにはね、話してくれないんだ。あいつにとって、オレらはすごく大事だから。オレらにとっても、あいつは大事なんだ。窮屈な家から助けてあげたい。それにはどうしても、あいつの口から自分のことを話させる必要があるんだよ」
『……よく、わかんない』
「複雑って言ったでしょ? あいつが話すことに意味がある。なんでかって言ったら、他人から聞いたら嘘が混じってるかもしれないから」
『本人でもそういうことあると思うよ?』
「うん。でもあいつは、もうオレらには嘘はつきたくないって言ったから」
『あたしにはつくかもしれないよ?』
「多分、もうつかないと思うよ。オレらのこと、傷つけたくないから」
『やっぱり、よくわかんないけど……友達にはなるよ? 多分。だってみんなの友達だもん。あたしもなりたい。でも、録音するかどうかはあたしが決める』
「うん。それでいいよ」
『その子をあたしも助けたいって思えたら。……ひなくんの言う方法しか助ける方法がないんだったら、録音する』
「うん。そうして?」
『でも、どうして録音?』
「あいつのこと、助けられたらちゃんと説明するよ。ちなみにだけど録音は最終手段。あいつが話してくれなかったら使うだけだから、殆ど使う可能性は低いと思う」
『そっか。……ちゃんと理由、教えてね』
「うん。約束する」
『どんな子? あ! ひなくんの彼女?』
「ううん。端から見たら清楚系? 大人っぽいらしいよ」
『……ひなくんはそう思わないの?』
「うーん。まあ人それぞれだし。ユズが会った時、どうだったか教えてよ」
『上手く逃げたなあ……』
「でも、きっとユズは録音してくれるよ」
『え? どういうこと?』
「そいつのこと、助けたいって思う。絶対」
『そっか。……うん。それは楽しみ』
「あ。ちなみにだけど、あいつを助けるのに命かけてもらうから」
『ええ!? なにそれ!?!?』
「まあユズは守るよ。多分」
『雑だな、おい』
「結構危険かも。それでも、協力して欲しい」
『……なんであたし?』
「丁度いいから」
『え。な、なにが?』
「……ポジション?」
『わけわからん……』
「でも、きっと助けたくなる」
『ほんとかなあ……』
「うん。自信がある」
『あたしに命を差し出せと……』
「そうなったら、ユズが死ぬ前に多分オレが死ぬよ。だから安心して」
『いやいや! 安心できないー!』
「大丈夫。オレ死ぬ気全然ないから。だからユズも死なない。これで安心。OK?」
『全然OKじゃねえー……』