極氷御曹司の燃える愛で氷の女王は熱く溶ける~冷え切った契約結婚だったはずですが~
「なるほど。君は優しい目をしているんだな」
「え」
慌てて「すみません」と目を伏せる。
「メイクをしていなくて」
「自宅のリビングなのにそんな必要はないだろう? 普段の君はとても綺麗で、オフの君は可愛らしいんだなという、単なる俺の感想だ」
「なっ」
さすがに表情を保てなかった。いや、表情は変わらないかもしれないけれど、きっと頬が赤いはずだ。
肋骨の奥がキューッとする。
だって可愛いだなんて、初めて言われた!
「そ、そんなことありません」
「過ぎた謙遜はかえって嫌味だぞ? 実際に君は可愛らしいんだから」
淡々と言われて私はコーヒーを一気に飲み干し、バッと立ち上がった。私を見上げる彼の表情には照れひとつない。リラックスしているためか冷徹とまでは言わないけれど、相変わらずのクールな佇まい。
「わ、私、可愛くなんかないんです……っ」
私は捨て台詞のようになりながらソファから離れ、慌てて戻ってマグカップを持ってシンクに置く。今日はハウスキーパーが来る日から任せてしまおう。
宗之さんはじっと観察でもしているかのような視線で私を見ている。
ああやだ、どうしてこんなに心臓が痛いの?