あの桜の木の下で
それから一日後、
「招集ー!招集ー!」
一番隊に招集がかかった。すると、沖田さんが
「監察方の山崎さんからの報告で、古道具屋升屋の主人が長州を匿っているとのことが分かりました!だから御用改に向かいますっ!」
多分その中で一番元気のありそうな雰囲気なのに精神弱すぎて暴走した人とは誰も思わないんだろうなぁ。
そう思い、暫く歩いていると、突然止まって
「……ここ…です。」
そう言い戸を叩く。
「すいませーん!」
「はい……し、新選組?!新選組が家になんの用どすか?」
「身に覚えがありませんか?長州を匿っているという。」
「そんなことするはずないやろ。」
そう言い訳じみた事を言おうとしていたが、そこにもう一人、
「嘘はいかんで。」
「……誰だ…」
そう升屋さんが呟いた瞬間、
「俺は新選組の山崎烝ちゅーもんや。」
そう自己紹介していた。そして当の沖田さんは、その人相手に睨んでいた。
「……おっと。怖い怖い。一方間違えれば俺の首が飛ぶ。」
そうふざけながら言う山崎さんに、沖田さんは
「……はぁ。本当に面倒臭い。烝。退いてくれない?」
「えー?そんないけずな。」
「……チッ…ちょーっとその口塞ごうかぁー。」
「わー!抑えて!抑えてー!」
さすがに止めざる追えなかった。
そして、色々あって捕縛には成功した。
屯所の縁側にて
「……あれ?沖田さん。それ……」
「あー。これ?これはねぇ。豊玉発句集っていう隊士が書いた句集です。」
貰ったのかな?
「貰ったんですか?」
「いえ。ちょーっと借りただけです!」
借りた……
「なんか気になる……」
「読みます?」
「え。いいんですか!?」
「もちろん!例えば、」
……梅の花、一輪咲いても梅は梅……
下手くそだな……当たり前だろ。
「あとは、これとか!」
春の草 五色までは 覚えけり
「……ぷっ!」
やべ。吹いちゃった……
「あとはあとは……」
そう過ごしていると、大きな足音が近づいて来た。
「……っ!あ、すいませんこれ持っててくれません?じゃっ!」
スパーン!!
「総司ィー!どこだーーーー!」
げっ。土方さん……
「えーっと」
もしかしてあの超下手くそな句集作ったの……土方さん……?
「チッ……逃げやがった。あ?おい。それ。」
あ。終わった。俺の人生終わった……
「すいませんっ!」
俺が咄嗟にとった行動は、其ノ壱!その句集を潔く返すこと。
「……お、おう……」
「それとこれ、沖田さんから預けられたんですけど……何が書いてあるんですか?」
其ノ弐!すっとぼける作戦!これで俺の命は守られた。
「……疑ってすまなかったな……」
勝った!沖田さんに勝った!
そう思っていた春樹であった……
「招集ー!招集ー!」
一番隊に招集がかかった。すると、沖田さんが
「監察方の山崎さんからの報告で、古道具屋升屋の主人が長州を匿っているとのことが分かりました!だから御用改に向かいますっ!」
多分その中で一番元気のありそうな雰囲気なのに精神弱すぎて暴走した人とは誰も思わないんだろうなぁ。
そう思い、暫く歩いていると、突然止まって
「……ここ…です。」
そう言い戸を叩く。
「すいませーん!」
「はい……し、新選組?!新選組が家になんの用どすか?」
「身に覚えがありませんか?長州を匿っているという。」
「そんなことするはずないやろ。」
そう言い訳じみた事を言おうとしていたが、そこにもう一人、
「嘘はいかんで。」
「……誰だ…」
そう升屋さんが呟いた瞬間、
「俺は新選組の山崎烝ちゅーもんや。」
そう自己紹介していた。そして当の沖田さんは、その人相手に睨んでいた。
「……おっと。怖い怖い。一方間違えれば俺の首が飛ぶ。」
そうふざけながら言う山崎さんに、沖田さんは
「……はぁ。本当に面倒臭い。烝。退いてくれない?」
「えー?そんないけずな。」
「……チッ…ちょーっとその口塞ごうかぁー。」
「わー!抑えて!抑えてー!」
さすがに止めざる追えなかった。
そして、色々あって捕縛には成功した。
屯所の縁側にて
「……あれ?沖田さん。それ……」
「あー。これ?これはねぇ。豊玉発句集っていう隊士が書いた句集です。」
貰ったのかな?
「貰ったんですか?」
「いえ。ちょーっと借りただけです!」
借りた……
「なんか気になる……」
「読みます?」
「え。いいんですか!?」
「もちろん!例えば、」
……梅の花、一輪咲いても梅は梅……
下手くそだな……当たり前だろ。
「あとは、これとか!」
春の草 五色までは 覚えけり
「……ぷっ!」
やべ。吹いちゃった……
「あとはあとは……」
そう過ごしていると、大きな足音が近づいて来た。
「……っ!あ、すいませんこれ持っててくれません?じゃっ!」
スパーン!!
「総司ィー!どこだーーーー!」
げっ。土方さん……
「えーっと」
もしかしてあの超下手くそな句集作ったの……土方さん……?
「チッ……逃げやがった。あ?おい。それ。」
あ。終わった。俺の人生終わった……
「すいませんっ!」
俺が咄嗟にとった行動は、其ノ壱!その句集を潔く返すこと。
「……お、おう……」
「それとこれ、沖田さんから預けられたんですけど……何が書いてあるんですか?」
其ノ弐!すっとぼける作戦!これで俺の命は守られた。
「……疑ってすまなかったな……」
勝った!沖田さんに勝った!
そう思っていた春樹であった……