あの桜の木の下で
俺の命の灯火が消えそうになった後、信じられない人に会う。

「あら?春樹君?」

「み、ミツさん!?」

あの子の姉であるミツさん。ミツさんとは交流も深かったから知っている。

「新選組に入ったのね。」

「まぁ、はい……」

そう会話をしていると、

「おぉ!よく来てくれました!やっぱり、心配で……?」

近藤さんが来た。二人とも知り合い、なのか?

「ええ。暴走したと聞きまして……」

暴走……沖田さんと関係があるのか?

「あれから体調もすっかり良くなって。今はもう復帰できてますよ。」

「良かった……」

「せっかく来たんだ。姉妹で話でも。」

姉妹……?まさか……俺の幼なじみって……いやいやそんなわけないよな……

そう思い仕事に戻る。すると、

「お!?春樹じゃねーか!」

原田さんがいた。

「原田さん……どうしたんですか?」

「いや。何もねーんだけどよ。今総司の姉さんが来てて話してんだ。」

「……へぇ。」

「総司の事、昔からよく気にかけててよ。結構過保護なんだ。まぁ、あの人がああだがら今の総司がいるんだけどよ。」

「そうなんですか……」

なんとも言えない……そんな話をしていると、

「あ!助けて春樹!」

お、沖田さん!?それと、ミツさん!?

「絶対捕まらない!近藤先生ったら何してくれてるんですか!!こうなるの分かってる癖にぃー!」

どういう状況だ?それに、あの髪結紐……俺のとお揃い?

「わー!」

そして抵抗も虚しく沖田さんは捕まってしまった。

「うぅ……」

「えーっと……」

「あら。春樹君。そう言えば言ってなかったわね。きっと記憶も曖昧なはずだから、改めて伝えるわ。この子は私の妹で、貴方の幼なじみなのよ。」

その反応は、驚いたけど俺より驚いている人がいた。

「はぁー!?総司と春樹が、幼なじみィ!?」

原田さん……

「……幼なじみ……?俺の……?じゃ、じゃあ……」

「……やっぱり覚えてなかったんだね……初めて会った時、絶対にあの時の幼なじみだって私は分かってたんだけど、気づいてない感じだったから言えなかった……」

「……じゃあ、出身も……」

「日野だよ……」

そんな……信じられない……でも、信じざる追えないのか?

すると、

「……やっと気づいたか。」

土方さんが近寄って来た。

「そうなんじゃねーかって薄々気づいてたんだ。だが、やっぱりお前らは幼なじみだったな。」

「……。私はお邪魔だったかしら?それじゃあ皆さん。またどこかで……。」

ミツさんはそれだけを残して帰って行った。こんなことになるとは、思っても見なかったから頭の中が真っ白な状態だった。
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