ワケアリ無気力くんが甘いです

「浴衣は持ってんの?」
「え?ま、まぁ……クロゼットのどこかに眠っております」
「ははっなるほど。 ……んじゃさ、これに志賀さんと行くとかって予定はない?」


小さく笑って、これと広げて見せてくれた1枚のチラシ。そこには夏定番の行事が。


「……花火大会かぁ、毎年かんちゃんは家族で行くらしくて、だから約束はしてないよ。私はもう、家で見えたらラッキーって思うくらい」

「分かる。俺もそう。人多いし萎えるから。……なんだけど、花火大会の日さ……花火見ながら花火でもしない?」

「え?市販の?」

「そうそう。ひと気のない河原とかで」


まさか──花火をしようと先崎くんから誘ってくれるなんて……あ、でも。


「藤田くんは?声かけた方いい、かな?」
「……いや、あいつ居たら騒ぐからうるさいし。と言うより花火大会の出店回るタイプだから。夜が嫌じゃなければ俺と2人で」



2人……。


「わ、私で大丈夫なら」
「いいから誘ってるんだよ。じゃあ、時間と場所は後から決めよ。そんじゃ、俺はなんか食べて帰るけど夜は?」
「私はもう少し浴衣見ていく!」
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