ワケアリ無気力くんが甘いです
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放課後、各班に割り当てられた掃除を終えて、ぞろぞろと教室にクラスメイトが戻ってくる。
私はすでに戻っており、座って帰り支度をしていた。
「ヤーコちゃんっ」
ぽんと肩を叩かれれば、その主である藤田くんは私の正面に回った。
「藤田くん、どうかしたの?」
「連絡先教えてっ。聞いてなかったから」
語尾にハートがついてそうな言い方で、藤田くんはポケットから携帯を取り出す。
「あぁ、うんいいよ」
私も携帯を取り出し、伸ばされた藤田くんの手に渡した。なれた手付きで操作していき『はいっ』とすぐに携帯は戻される。
「ありがとう!」
「いえいえ」
そのまま携帯をポケットに入れ、顔を上げた。
「本当はクラスのグループから登録しても良かったんだけど、直接の方がいいでしょ?礼儀的に!」
「そうだね」
「いっぱいお話しようね!」
ブンブンと手を振りながら席に戻ろうとした藤田くんは、次々とクラスメイトにぶつかりながら席についた。
……よそ見するから、だよね。面白いけど。