ワケアリ無気力くんが甘いです
誰だろうと後ろを振り向けば、先崎くんがいて、席に向かっていた。
『読んで』と言うようなゼスチャーをされ、不思議に思いながらも紙を開くと――
可愛いクマがマフィンらしきものを手に持ったイラストが描かれていた。
クマはクマでも、忍者っぽい被り物してて。というか、絵上手……。
でもあまり意図が分からなく、私は先崎くんのもとへ。
「先崎くん、これって?」
紙を見せながらたずねると、先崎くんは自分のマフィンを1つ、さりげなく差し出してきた。
「今さっき、志賀さんが……黒羽さんのマフィン大声で自慢してたの聞いた」
「あ……うん」
かんちゃん……そんな大々的にマフィン見せてるの?
なんだか嬉しいような恥ずかしいような。
「で……俺も食べたいな、って」
「え、あ……」