ワケアリ無気力くんが甘いです
▶お兄……

2人の過去


▶▶



翌週――ゴールデンウィーク最終日。


人混みをかき分けて、駅の改札口を出て辺りを見渡した。


「……あっ」


前に警察署で見た姿に近い先崎くんが、人混みがはけた場所にいるのが見えて、少しハジに寄り、数秒観察……。


──あの姿を見るのは2回目だけど……やっぱり学校とのギャップがすごい。マスクしてないし……それに格好いい。

……ってだめだめ、待たせてるんだから。

観察を終え、駆け寄るに私に気付いた先崎くんは軽く手を上げて笑みを見せた。


「早いね」
「こっち方面、あまり来たことなくて……早めに。先崎くんこそ、早いね」
「なんとなく黒羽さん、早く来そうだなぁと思って、俺も早めに来た」
「2人して早かったね」
「そうだね……じゃ、とりあえず行こっか」
「うん」


この姿の先崎くんのと、隣にいるだけで緊張する……。けど顔を覆わなくても見れる。
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