ワケアリ無気力くんが甘いです

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私たちのクラスでは──次々に配られる宿題に文句を垂れていた。
明日から約1ヶ月の夏休みということで、それなりの量だから。


「ぜってぇ終わらねぇー」
「わたし最初に終わらすー」


最初に終わらせる派とギリギリまで夏休みを楽しんでからやる派にわかれるような話が聞こえ、私は最初に済ませようと心に決めた。


「ヤーコちゃん、宿題一緒にやろうね。めっちゃ遊びながら!」
「うん、そうしよ」


隣の席のかんちゃんは、笑いながらも宿題を積み重ねてその上に顔を乗せている。
表紙がひんやりする、って。


「僕っ……先ちゃんと1ヶ月も離れたら寂しい!生きていけない!」
「あっそ」
「ねぇ!"俺もだフジ……"とか言ってよぉ!」
「永遠に無理」

「フォーエバー!?」


後ろからまたも楽しそうな会話が……あ、かんちゃん笑ってる。
でも1ヶ月ってことはこの会話も当分聞けないってことか。……それってつまり──


私も先崎くんとは……会えなくなるってこと。

う……なんか急に、夏休みの嬉しさが薄れた気がする──
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