ワケアリ無気力くんが甘いです

しかも──ディスプレイには【先崎くん】。
スマホを手に挙動不審になるも、咳払いをし電話に出た。


「も、もも、もしもしっ」
『っ、なんか……も、多くない?』


──!!


電話の向こうで先崎くんに笑われた……!


『今、平気?』
「だ、大丈夫!全然平気!」


……なんで私、こんなに背筋伸びてんだろ。ほんのちょっとでいいから落ち着いてくれないかな、私よ。


『良かった。昨日の帰り、フジにつかまってたせいで話せなかったから』


──確かに。

一言だけでも、何かしら話して帰りたいなとは思ってたんだけど『悲しい、寂しい、遊ぼう』って言う藤田くんにつかまりっぱなしだったから断念したんだ。


『んで、志賀さんとかと遊ぶだろけど……空いてる日、またうちに遊びにおいでよ。兄貴もいつ来るってうるさいし』
「……私割りと暇人なので、ぜひ」
『俺も暇人。店の会計係させられてるけど。全然抜けれるから』


融通がきく、ってことか。優しそうなお兄……さんそうだもんね。


「うん。じゃあ、その時また連絡するね」
『待ってる』


通話終了。


「……もう明日行っちゃおうかな。いやでもそれは早すぎる?でも行きたいしなぁ」


もう宿題そっちのけで、私は夏休みの予定とカレンダーを照らし合わせた。
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