結婚なんて、ゼッタイお断り!





嫌な予感がする。

でも、そういう予感ほど当たってしまう。




「お前、組長からなんも聞いてねぇの?」

「僕達、美桜ちゃんの婚約者候補だよぉ?」

「婚約者、候補……」

「俺たちは全員、大安寺組の関係者だよ。改めて、今日からよろしくね。美桜ちゃん」



私は三年後、中学を卒業するまでの間に、この中から一人を選んで──。

結婚しなくちゃいけない、らしい。




……でもね?

私にだって、自分の意思ってものがある。




結婚っていうのは、誰よりも一番近くで支え合いながら、一生一緒に過ごしていこうねっていう人生で一番大事な誓いのことだ。

どんなときも一緒に困難を乗り越えて、嬉しいことも悲しいことも二人で共にしていく。


そんな大切な誓いを、おじいちゃんに言われたからって素直に『はい分かりました』って言えるわけがないじゃない。






「……言っとくけど、私、誰とも結婚なんてする気ないから」

「は?」

「えぇ!?どうしてぇ!?」

「……」

「結婚なんて、ゼッタイお断りだから!」







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