結婚なんて、ゼッタイお断り!
家に帰る途中、頭の中はずっと大和のあの切ない表情が何度も浮かび上がってきた。
私、間違えちゃったかもしれない。
大和にはまず、助けに来てくれてありがとうって言わなくちゃいけなかった。
それなのに私は、私のために息を切らせながら戦ってくれた大和を、傷つけてしまったんだ。
たとえあの行為がやり過ぎだったとしても、私だけは最初に感謝の言葉を言うべきだった。
「(帰ったら一番に、大和にありがとうって言おう)」
そう思っていたけれど、その日、大和は大安寺の家に戻ってくることはなかった。
三人との同居生活、初日。
波乱万丈の幕開けだった──。