歪んだ月が愛しくて1
「ここで言うランキングはただの人気投票じゃない。生徒会や寮長、その他責任ある重要な役割を与えられるんだ」
「じゃあ会長達もそのランキング上位者なんだ」
「そうだ。この際だから説明するが神代会長はKING部門第1位で、御幸先輩は第3位、未空が第6位。それで皇先輩がQUEEN部門第2位だ」
「あー…」
「納得したか?」
「した」
通りで親衛隊が熱を上げるわけだ。
「お前が生徒会に入ったことは何れ覇王親衛隊の耳にも入る。……いや、もう既に知れ渡ってるか。“Little Eden”に出入りしてるくらいだからな」
「……他人事」
誰だよ、さっきは心配とか言った奴。
「だって他人事だからな」
「鬼、悪魔、鬼畜、人でなし」
「冗談だ。でもお前にとってあそこは四面楚歌も同然だから警戒するに越したことはない」
「四面楚歌?」
「周りが敵だらけってことだ」
不意に頼稀が目を伏せる。
何で頼稀がそんな顔するのか分からない。
俺のことなんて気にする必要ないのにまるで昔から知っているかのような懐かしい感覚に襲われる。
「……そんなの、慣れてるよ」
責められるのは慣れている。
あの言葉以上の凶器なんてない。
「俺なら平気だよ」
「………」
「あれ、信じてない?」
「お前は嘘を吐くのが上手いからな…」
「何だそれ」
頼稀の言葉に一瞬焦った。
核心を突かれて誤魔化すしか出来なかった。