歪んだ月が愛しくて1



「リカ朝だよー!起きてー!」



リカの部屋の前で大声を上げる。
いつもこうやってリカを起こすのが俺の日課だ。
バカみたいにでかい声を出してリカの名前を呼ぶとリカは嫌でも反応して部屋から出て来てくれる。
「そんな大声出さなくても聞こえてるから…」と迷惑そうな顔がまた可愛いんだよな。



でも今日に限って反応がない。



可笑しいな。もういつもの時間過ぎてるのに。
まさかまだ寝てるとか?………まさかね?



ドンドン



「リカー!」



ドンドンドン



「リカ寝てんのー?」



ドンドンドンドン



「リカってばー!」



ドンドンドンドンドン…



「リカ返事し…「うっさーい!いい加減にしろ仙堂!隣の隣まで響いてんだよ!」



リカの部屋の扉を叩き続けていると、バンッと勢い良く扉を開けて近所迷惑な声を荒げるルームメイトのみっちゃんが現れた。



「みっちゃん大変!リカの返事がない!もしかしたらまだ寝てるのかも!?」

「藤岡が遅刻しようと僕の知ったことか!」

「俺にとっては一大事なの!今日一日リカに会えなかったらどうするのさ!?」

「知るかっ!どうでもいいわそんなこと!」

「そんなのことじゃないよ!」



どうでも良くない。
俺にとっては死活問題だ。
リカに会えないなら授業に出る意味がない…、それくらい俺にとってリカの存在は大きかった。



「兎に角僕の睡眠の邪魔をするな!いいな!」

「はーい…」



みっちゃんは朝が弱い。
しかも尊同様低血圧で超不機嫌。
まあ、寝起きのみっちゃんはこんなもんじゃないんだけどね。



「あれ、どこ行くの?」



そんなことを考えていると、みっちゃんは部屋に鍵を掛けてエレベーターの方へ歩いて行く。



「は?お前こそまだ寝ぼけてんじゃないのか。食堂に決まっているだろう」

「え、もうそんな時間!?」



ヤバッ、本気でリカ起こさなきゃじゃん!


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