歪んだ月が愛しくて1
「そう言えば未空は?」
「未空くんならそこに…」
葵の視線の先には黒板消しを手に持って教室中を走り回っている未空と希の姿があった。……小学生か。
頼稀はそんな2人を見て溜息を吐きながら声を掛けた。
「おい、いい加減にしねぇと御手洗の奴が…「せぇんどぉ〜!!」
「……遅かったか」
「え、今のって御手洗くんの声?」
「立夏くん!危ないから離れて!」
「とばっちり食らうぞ」
「は?」
頼稀に腕を掴まれた俺は教室の外に連れ出された。
そこには先程まで教室内にいたはずのクラスメイト達も集まっていた。
「何で皆まで…」
「それはね」
そう言いながら葵は教室内を指差す。
ガラス窓から顔を出して教室内を覗き込むと、そこには満面の笑みを浮かべるご機嫌な未空と正反対に肩を震わせながらドス黒いオーラと放出する学級委員長の御手洗邦光くんがいた。
「あれ、何で皆いなくなっちゃったのぉ?」
「貴様…、余程この僕を怒らせたいようだな…」
「あ、みっちゃんいたんだ!」
ブチッ
「……今変な音しなかった?」
「安心しろ。幻聴じゃねぇから」
「ヤバい!邦光くんが覚醒する!」
「はぁ!?」