歪んだ月が愛しくて1
「そう言われると意地でも守りたくなる!てかリカの意見は関係ありません!誰に何と言われても絶対に守ってみせるよ!」
「どうやらやる気にさせちゃったみたいですよ」
「口下手かよ?分かり難いんだようちの王様は」
「煩ぇよ」
会長だけじゃない。
未空も、陽嗣先輩も、九澄先輩も…。
「なん、で…」
突き放したのに。
あんな嫌な言い方して態と怒らせようとしたのに。
何でそんな戦う前の獣みたいな目してこっち見てんだよ。
(眩し過ぎるよ、俺には…)
目が眩むほどの光は太陽だけじゃなかった。
「立夏くん、どうしました?」
「何か固まってねぇ?大丈夫か?」
「もしかして俺の愛の告白が嬉し過ぎて感極まって…「それはない」
「何でそこだけ即答なのさ!?」
「お前嫌われてんじゃねぇの?」
「えっ!?い、いやいやそんなまさか!リカは俺のこと好きだよね!?照れてるだけだよね!?」
「錯覚」
「妄想」
「未空は意外とストーカーの素質があるのかもしれませんね」
「ないから!1ミクロもそんな素質ないから!リカ安心してね!」
何をどう安心しろと言うのか。
言いたいことだけ言って、騒ぎたいだけ騒いで、本当自分勝手な連中だ。
「性格破綻者…」
子共のことをよく宇宙人と比喩するが、彼等の方がよっぽど宇宙人じゃないか。
「え、今更?」
「今更だな」
「僕達の性格の悪さは初対面の時にバレていたと思ったのですが」
仕舞いには開き直りやがった。
でも不思議と嫌な感じではなかった。
寧ろ…、
「前に話したでしょう?」
不意に未空の顔が近付いて来た。
「俺達ってスゲー性格悪いの。そりゃもう人に言えないようなことばっかして来たからね」
「……何開き直ってんだよ」
「だよね。でも俺は忘れてないよ」
以前、未空から打ち明けられたことを思い出す。
詳しいことは聞いてないが、兎に角未空達は人様に言えないヤバイことをして来たらしい。
俺も人のことは言えないからとやかく説教垂れるつもりはなかったが、つい気が緩んで余計なことを言ってしまったのは記憶に新しい。
それでも彼等の過去に踏み込むことはしなかった。いや、出来なかった。