歪んだ月が愛しくて1
「未空、もう少し静かに食えよ。お前のせいでいつも以上に目立ってんぞ」
「それは俺のせいだけじゃないと思いまーす」
「頼稀くんもランキング上位者だもんね」
「それを言うなら俺と立夏以外そうじゃん」
「え、葵もなの?」
「そうだよ。アオはQUEEN部門の8位」
「まあ、エンジェルだから当然だけどな!」
「……確かに」
葵がランキング上位者なのは頷ける。
そんな葵は「何?」と首を傾げて天使のように愛らしく微笑んでいた。
「そうじゃなくて、俺が言いたいのはリカのことだよ!」
「俺?」
「そう!目立ってるのは俺達だけじゃなくてリカも一緒ってこと!」
「……俺、目立ってる?」
確かに文月さんのせいで悪目立ちしているのは自覚している。
その上生徒会に入ってしまったせいで余計それに拍車が掛かっていると言うことも。
「あ、でも悪い意味じゃないよ」
悪い意味しか思い浮かばない。
「リカは可愛いからそこに存在するだけで目立っちゃうんだよ」
出た、可愛いコール。
男が可愛いと言われて嬉しいはずがない。
「俺、可愛くないけど」
そう言うと未空に大ブーイングされた。
「可愛いよ!しかも超綺麗だし!」
どっちだよ。
「何でこんなに言っても分かんないの!?リカは可愛いの!綺麗なの!ちゃんと自覚してよ!」
「はいはい」
「全然分かってないし!」
相変わらず喧しい。
可愛いとか、綺麗とか、本当どうでもいいからもう少し声のボリューム下げられないかな。
どう考えても未空のせいで悪目立ちしてるじゃんこれ…。
そんなことを考えながら適当に相槌を打っていると、スッと影が降って来た。
「確かに、ちょっとは自覚した方がいいな〜」
その声に釣られて振り返ると何故かそこには陽嗣先輩が立っていた。通りで外野が喧しいわけだ。
「あ、ヨージじゃん」
「何しに来たんですか?」
「勿論昼飯を食いに」
「……残りの2人は?」
「あのな、俺だっていつもアイツ等と一緒ってわけじゃねぇのよ。てかセットみたいに言われるなんてしんがーい。俺傷付いちゃった」
「………で?」
「お詫びにここ座らせて」
「嫌で…「サンキュー!」
聞いてねぇし。