歪んだ月が愛しくて1



授業終了のチャイムが鳴る。
机に伏せて寝ていたがチャイムと同時に顔を上げた。
何でも今日は職員会議があるとかで授業は4限までしかないらしい。



暇だな。

この後どうしようかな…。



「リカ食堂行こう!食堂!」



不意に隣の未空が俺の腕を引く。



「……あんの?」

「あるよ。一緒に飯食おうよ。俺の友達も紹介したいからさ」

「友達?」



嬉しそうに目を輝かせながら喋る未空の後ろには3人のクラスメイトの姿があった。



「紹介するね。こっちが…」

佐々山希(ささやまのぞみ)。希でいいよ。宜しくな立夏」

風魔頼稀(ふうまよりき)だ。頼稀でいい」



茶髪のショートで前髪をアシメに別けた希と頼稀。
左右対称のような彼等の耳にはお揃いのピアスが光っていた。



「……藤岡です」



……似てる。
でも苗字が違う。
容姿も髪型もピアスがお揃いなだけで顔のパーツは全然違う。
どうやら双子ではないらしい。
ただお揃いのピアスを付けてるところを見ると相当仲が良いんだろう。



「リカ堅過ぎ!もしかして緊張してんの?」

「別にしてない」

「分かった!頼稀の顔が怖いんでしょう!だから緊張してるんだ!」



だから緊張してないって。



「頼稀は無愛想だからな」

「誰が無愛想だ」

「頼稀は無愛想なんじゃなくて態度がデカいだけだよ!ねぇ!」

「お前、それでフォローのつもりか?」

「そうフォロー!」



いや、違うだろう。
寧ろ最後の台詞で完全に貶してるから。


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