歪んだ月が愛しくて1



「ああ、キスしたことか」

「っ!?」



会長の言葉に再び顔が熱くなる。



「それでネジぶっ飛んでたのか?」



その言葉を肯定したくなくてフイッと顔を背けた。
そんな俺を見て会長は不敵に笑みを零した。



「へぇ」



(この確信犯め…)



分かっててやってるから質が悪い。
これだからイケメンは嫌いなんだよ。マジでイケメンは敵。



「……ぶっ飛んでないけど意味分かんねぇんだよ」

「顔赤いぞ」

「う、煩ぇ!話を逸らすな!」

「煩ぇのはお前だ」



会長は態とらしく右手で耳を塞ぐ。
そんな会長の舐め腐った態度が俺の怒りに更に火を点けた。



「何であんなことしたんだよっ!?」



悪ふざけにしても質が悪い。
会長はやり慣れてるかもしれないがやられた俺の方はそうじゃない。上手い返し方とかノリとかよく分からない。だから困る。こう言うことされると対処出来ないから。
すると会長は悪びれる様子もなく平然とした態度でとんでもないことを口走った。



「したかったから」



その言葉に一瞬でフリーズした。



「………は?」



したかったから、だと?



この…っ、



「変態が!!」

「何でそうなる」



いやいや、なるだろう普通!

変態以外の何者でもねぇよ!



「……えんがちょ」

「ぶっ飛ばすぞ」



それはこっちの台詞だ!


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