歪んだ月が愛しくて1



「風魔くんはどこを探せばいいと思う?」



そう言った御幸陽嗣の口元はニヒルに歪んでいた。
どうやら挑発されているらしい。……面白い。



「くん付けとか態とらしいですね」

「じゃあ風魔、お前はこっちで合ってると思うか?」

「何で俺に聞くんですか?」

「何となく」

「俺に何を言わせたいのか知りませんが買い被りですよ」

「べっつに〜。俺はただ“B2”の諜報部隊隊長様のご意見が聞きたかっただけよん」

「……現役じゃねぇからって何言っても許されると思うなよ?」

「何のこと?僕ちん分かんな〜い」

「人の神経を逆撫でするのが趣味なんですか?悪趣味だな」

「それお前が言っちゃう?」



大方俺の出方を見てるってところか。噂通り食えない奴だな。



「頼稀…」



希は不安げな表情を浮かべて俺の名前を呼ぶ。
希が言いたいことは分かる。
不本意ではあるがきっと心配されているんだろう。
でも俺だってそこまでガキじゃない。自分の立場や今の現状を考えての行動に留めているさ。



「俺を誰だと思ってる?」

「一見クールぶってるのに中身は熱血な頼稀くん」

「誰が熱血だ」



そんな希の頭をペシッと叩く。



「そこさ、なーに見せ付けてくれちゃってるわけ?そう言うのは2人っきりの時にやりなさいな」

「頼稀とのんちゃんって本当に仲良いよな。幼馴染みって皆そんな感じなの?」

「はははっ、お猿の目は節穴ですか〜?」

「俺は猿じゃねぇ!」


< 338 / 552 >

この作品をシェア

pagetop