歪んだ月が愛しくて1
「風魔くんはどこを探せばいいと思う?」
そう言った御幸陽嗣の口元はニヒルに歪んでいた。
どうやら挑発されているらしい。……面白い。
「くん付けとか態とらしいですね」
「じゃあ風魔、お前はこっちで合ってると思うか?」
「何で俺に聞くんですか?」
「何となく」
「俺に何を言わせたいのか知りませんが買い被りですよ」
「べっつに〜。俺はただ“B2”の諜報部隊隊長様のご意見が聞きたかっただけよん」
「……現役じゃねぇからって何言っても許されると思うなよ?」
「何のこと?僕ちん分かんな〜い」
「人の神経を逆撫でするのが趣味なんですか?悪趣味だな」
「それお前が言っちゃう?」
大方俺の出方を見てるってところか。噂通り食えない奴だな。
「頼稀…」
希は不安げな表情を浮かべて俺の名前を呼ぶ。
希が言いたいことは分かる。
不本意ではあるがきっと心配されているんだろう。
でも俺だってそこまでガキじゃない。自分の立場や今の現状を考えての行動に留めているさ。
「俺を誰だと思ってる?」
「一見クールぶってるのに中身は熱血な頼稀くん」
「誰が熱血だ」
そんな希の頭をペシッと叩く。
「そこさ、なーに見せ付けてくれちゃってるわけ?そう言うのは2人っきりの時にやりなさいな」
「頼稀とのんちゃんって本当に仲良いよな。幼馴染みって皆そんな感じなの?」
「はははっ、お猿の目は節穴ですか〜?」
「俺は猿じゃねぇ!」