歪んだ月が愛しくて1



「へぇ、結構可愛いじゃん」

「俺タイプかも」

「でも眼鏡がちょっと残念だな」

「外した方が可愛いのに」

「ねぇ、名前何て言うの?」



所謂イジメ…とは違うようだ。
でもコイツ等の目的が分からない以上、下手に挑発して煽るのは得策じゃない。



「……俺、急いでるから」



関わらない方がいい。
相手にすれば余計に付け上がらせるだけだ。
男達の間を通り抜けてトイレから出て行こうとした時、男の1人が俺の腕を掴んで自身の方に引き寄せた。



「どこに行くの?」

「もうちょっと俺達と遊ぼうぜ」

「遊ぶって何して…って、おい!」



すると男達は俺の身体を洗面台に押し付けてズボン越しに股間を撫で回して来た。
突然のことに驚愕した俺が抵抗しようと声を上げると男の手が俺の口を塞いだ。



「んんーっ!」

「はーい、ちょっと黙っててね」

「君だってそのつもりだったんだろう?」

「こんなところに1人で来るくらいだしな」



そのつもりってどのつもりだよ!

トイレなんだから1人で来るだろうが!



「そんじゃあ楽しませてもらいますか」

「やべぇ、久しぶりで興奮する!」

「おい、誰か口抑えとけよ。騒がれんのは面倒だからな」

「じゃあ俺が」

「えっ、いや…、我孫子さんにやらせるわけには…」

「いいから、いいから。お前等で先楽しませてもらえよ」

「そ、そっすか?じゃあお先に…」

「では御開帳〜」



男達の手が股間からズボンのファスナーに移動する。
ジジジ…と、ファスナーを開ける音がやけに耳に響く。
冗談にしては質の悪い悪戯に思わず。



「気持ち悪ぃんだよ!」

「ぐはっ!」



つい足が出た。


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