歪んだ月が愛しくて1
「……頼ってねぇよ」
どうして頼稀がそんな辛そうな顔するんだろう。
これで頼ってないとしたら俺はどうすればいいんだろうか。
これ以上誰かを頼って生きて行くなんて…、そんなの俺には無理だ。
だってそんなことしたら、俺はもう…、
「だったら何で手紙のこと黙ってた?」
「、」
その台詞に思わず言葉を失った。
まさか…、気付いてたのか?いつから?
「俺が気付いてないとでも思ったか?」
「何で…」
「挙動不審なんだよ。隠そうとしてるから余計目に付く」
「別に隠してたわけじゃないけど…」
「嘘だな。目が泳いでるぞ」
「それは頼稀の顔が近いからだよ」
「立夏」
「………迷惑掛けたと思ってるよ」
「お前な、」
不意に準備室の扉が開いた。
音の出所に自然と目を向けるとそこには先程人質にされた西川くんが立っていた。
「「あ…」」
互いに目が合った。
すると西川くんは驚いたようにピタッと動きを止めた。
「え、何で?」
「知るか」
そんな西川くんの様子に首を傾げると突然頭を下げて。
「ご、ごごごめんなさいっ!!」
「「は?」」
え、何で?
「あ、あの僕、邪魔するつもりじゃ…っ」
「邪魔?」
不意に頼稀と目が合った。
……あ、これか。
そう思った時には既に遅く西川くんは顔を真っ赤にさせて手足を必要以上に動かしていた。
見ちゃいけないものを見たって思って焦ってるんだろうがいくら何でも落ち着きがない。考えてることが丸分かりだ。さっきまで人質にされてた人間とは思えないな。
「だから、その、えっと…」
……でも、少し安心した。