歪んだ月が愛しくて1



「アンタが会長贔屓なのは分かった。でもだからと言って会長のためなら他人のことなんてどうでもいいみたいなアンタの考えは理解出来ない」



誰かを想う気持ちにルールなんてないと思う。
でもだからと言って他人を軽視していいわけじゃない。



「アンタは白樺や月のことを仕方ないって言ったけど、それってどう言う意味?会長の機嫌を取るためなら仲間を簡単に切り捨てるのがアンタの言う仕方ないってこと?私利私欲のためとかどうとか言ってたけど結局アンタも同じだろう」



“仲間”なんて…、まさか口に出すと思わなかった。
少し前なら意地でも言わないようにしてたのにこれも誰かさん達の影響かもしれない。



……ああ、ダメだ。

バカ過ぎて笑える。

これでは境界線もあったもんじゃない。



「それと形だけの謝罪はいらねぇから」



そう言って足を崩して立ち上がる。
勿論お茶菓子を食べるのは忘れずに。残したら勿体無い。















「―――何が、いけないんですか」



その声にゆっくりと視線を下げる。



「想いを寄せる方に誠心誠意尽くすことの何がいけないと言うんですか?」



彼の瞳の奥底に先程までとは違う何かを感じた。


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