歪んだ月が愛しくて1
「でもそれとこれとは別。それに許せなくても嫌いなんて言ってないし」
今度は俺が驚く番だった。
みっちゃんの言葉に開いた口が塞がらない。
「……何驚いてるさ?」
「いや、だって…」
驚くなって方が無理。
「それで友達になるの?ならないの?」
「あ、その…」
いいんだろうか、その言葉に甘えても。
ああ、情けない。
さっきは友達欲しいなんて言わないって大見得切ったくせに今は喉から手が出るほどその言葉に頷きたい自分がいた。
本当どうしようもないな…。
「ああ、イライラするな!男なんだからスパッと決めろ!」
「は、はい!友達になりたいですっ!」
みっちゃんの勢いに負けて深々と頭を下げて頼み込む。
チラッと視線を上げてみっちゃんの顔を盗み見るとそこには「宜しい」と言って満足げに微笑むみっちゃんがいた。
先程までの弱々しい声が嘘のように初めて聞いた嬉々とした声に思わず言葉を失った。
「よし、じゃあとっとと帰るよ。早く戻んないとあの野生児共が暴れかねないんだから」
「そう言えば未空達は?」
「佐々山と武藤に任せたよ。風魔も華房達をシメた後に君を捜しに行くって聞かなかったけど何かあった時のために教室に残ってもらったよ。その方が万が一の時に対処し易いからね」
万が一って何だろう。
地震…、とかじゃないよ?まさか俺のことでもないよね?
「みっちゃんって皆のことよく見てるんだね。流石C組の学級委員長」
「別に。ただ目に付くだけだよ」
「………ツンデレ?」
「あ?」
「ごめんなさいすいません許して下さい」
「全く、全然反省してないしょう。精々今のうちに覚悟して置くことだね。戻ったら………地獄だよ」
「え、覚悟?それに地獄って…」