歪んだ月が愛しくて1



「……お前、それ態とか?」



パチッと瞬きを一つ。



「態と、じゃないけど…」



何が?



「まあ、そうだろうな」



そう言って会長は鬱陶しそうに前髪を掻き上げて再び溜息を吐いた。



「……寝煙草はすんなよ」



その言葉に耳を疑った。



「みーこ!?」

「但し今持ってるので最後だ。じゃなきゃお前の部屋ガサって隠し持って分全部処分すっからな」

「ガ、ガサるって…」

「分かったか?」

「……はい」



ガサられるのは勘弁だ。



「未空」

「………分かったよぉ」



未空は不貞腐れた顔をするものの渋々納得してくれた。

……と思いきや。



「でも煙草なんかで誤魔化さないでよ!」



叫ばれた。

いや、怒られているのか。



「イライラしたら俺に言って!俺リカのためならサンドバッグにでもスケープゴートにでも何でもなるから!」

「サンドバッグって…」



いくら何でもそりゃ無理だ。

てか俺が嫌だよ。



「だからそんなもんに頼らないで!俺に頼ってよ!」

「………」



『何でお前はいつもそうなんだよ!そうやって自分だけが傷付けばいいとか思うな!もっと俺達を頼れよ!甘えろよ!』



俺には頼稀や未空が求めるものが分からない。

いや、自分では分かってるつもりだった。



「リカ」



それなのに彼等は俺にそれ以上を求める。



「……うん」



分からないよ。

これ以上俺はどうすればいいの?俺にどうなって欲しいの?


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