歪んだ月が愛しくて1
立夏Side
「オメー等、委員会決めんぞ」
それは担任の唐突な一言から始まった。
「委員会…?」
「もうそんな時期だっけ?」
「毎年こんなもんじゃん」
「面倒臭ぇ」
「頼稀くんらしいね」
ある日のHRでのこと。
紀田先生の一言にクラスが騒めき立つ。
「ギャーギャー煩ぇぞ。いいからとっとと決めやがれ」
相変わらずやる気のない紀田先生。
しかもやる気がない上に態度もでかい。
本当に教員免許を持ってるのかさえ疑わしい。
「紀田ちゃんさ、決めろって言うけど委員会って中等部の時と一緒でいいわけ?」
「佐々山、何度言ったら分かる。紀田大先生様だっつってんだろうが」
「紀田大てんてー様、教えて下さーい」
紀田先生は黒板にいくつかの委員会名を書き始めた。
すると紀田先生は「この中から適当に選べ」とだけ言ってどこからか取り出したアイマスクを装着して教卓の横の椅子に腕を組んで寝る体制を取った。
一連の流れを見ていたクラスメイトから抗議の声が上げる。
「紀田ちゃん投げやり〜」
「人に押し付けといて自分だけ寝るとかズルくない?」
「オーボー」
「大人って汚ぇ」
「静かにしろ。授業中だろうが」
アンタがそれを言うか。