歪んだ月が愛しくて1
「それと言い忘れてたが、今日の放課後に委員会の顔合わせがあるから今日中に決めろよ」
「は?今日?」
「マジかよ。超急じゃん」
「心の準備が出来てねぇよ」
「なら今すぐ準備しろ」
そう言って本格的に寝やがった。
マジでやる気ねぇなコイツ。学級崩壊もいいところだ。
「それでは立候補する人は挙手をお願いします」
学級委員の葵がいなかったらどうなっていたことか。
「立夏くんは委員会どうする?」
教壇から戻って来た葵が俺に話し掛ける。
きっと転入生の俺に気遣って声を掛けてくれたんだろうがそっとして置いて欲しいのが本音だ。
「……全員入らなきゃいけないの?」
「そんなことないよ。各委員会には定員があるから全員が入れるわけじゃないし、それに委員会によっては推薦や投票でしか入れないところもあるから」
「へー」
強制じゃないなら入るつもりはない。
態々自分からそんな面倒臭いもんに首突っ込みたくないし、そもそも推薦や投票までして委員会に入りたい奴の気が知れない。
「葵は去年に引き続きまた学級委員やんでしょう。いい加減飽きない?」
「飽きないよ。僕はこれしかやったことないから今更違うのやれって言われる方が逆に不安だよ」
「ふーん。そんなもんかね」
「そんなもんだよ」
「……凄いな」
「何が?」
「学級委員ってクラスを纏めたりするんだろう。俺には絶対出来ないから」
面倒臭くて。
「凄くなんてないよ。纏めるって言っても皆もう高校生だから自分のことくらい自分で出来るし、僕の仕事は先生達からの連絡事項を皆に伝えるだけだから簡単だよ」
いや、簡単じゃないと思うが。
「立夏くんも一緒にどう?僕から先生にもう一枠作れるかどうか頼んでみようか?」
「はは…」
無理。