歪んだ月が愛しくて1
「でもさ、ただ勉強するだけじゃ面白くないから罰ゲーム作らね?」
希の楽しそうな声が聞こえる。
「勝負しようぜ、俺達8人で」
希はまるで悪戯を思い付いた子供のような笑みを浮かべて口元を緩めた。
「勝負?」
「……お前、何考えてんだよ?」
「効率良く勉強出来る方法。こうでもしないと皆やる気になんないかと思ってさ」
「確かに効率を上げるには有効的だね」
「だろう」
希に便乗して葵が肯定的な意見を述べると意外な人物が否定的な声を上げた。
「却下!絶対無理!勝てるわけないじゃん!」
「そうだよ!俺の成績知ってんだろう!C組のワースト1だぜ!やる前から勝負見えてんじゃん!」
「え、そこえばるとこ?」
「そんなのやって見なきゃ分かんねぇだろう」
「分かるよ!だって俺と汐以外皆成績上位者じゃん!」
「ピーピー煩いな。男なんだから根性見せろよ」
「やーだー!」
「根性関係ねぇよ!」
子供のように駄々を捏ねる、未空と汐。
そんな2人を見兼ねた葵が新提案を挙げる。
「じゃあこうしよう。最下位の人が罰ゲームを受ける。それで罰ゲームの内容は一番成績の良い人が決めるってのはどうかな?」
「一番?」
「成績の良い人…」
その言葉に未空と汐はみっちゃんを見て顔を青褪めた。
「……何?文句あんの?」
「「滅相もございませんっ!!」」
「皆もそれでいい?」
「いいけど…」
「俺も賛成。汐にも良い薬になると思うし」
「どうせ拒否権なんてねぇんだろう」
「まあ、暇潰しにはなりそうだね」
「じゃあ夕食後に勉強会ね。どこに集まろうか?」
「誰かの部屋でいいんじゃない?」
「だったらうちに来なよ。いいでしょう頼稀?」
「ああ」
この日から定期テストに向けての勉強会が始まった。