歪んだ月が愛しくて1
「……立夏くん、大丈夫?」
「何が?」
「だって、何か元気ないみたいだから…」
「え、」
元気ない?
俺が?
「そんなことないよ。俺元気だけが取り柄だし」
「いや、それ嘘でしょう」
「お前のどこが元気なんだよ」
「どっからどう見ても元気っ子でしょう?」
「……そっか。でも何かあったらいつでも相談してね」
「相談?」
「うん。僕達で良かったら話聞くよ」
「……大袈裟」
葵の目には俺がどう映っているんだろう。
……聞けない。
聞いてしまったら最後、自覚してしまいそうだから。
「てか、未空は委員会どうすんの?」
横から葵の視線を感じる。
でもそれに気付かないふりをして話を逸らした。
「………」
「未空?」
「………」
「おーい、み…「立夏」
未空の名前を呼ぼうとした時、頼稀によってそれは遮られた。
「前に言っただろう、病気って」
未空の様子が可笑しい。それは先日のトイレでの一件から度々あった。
でも原因が分からないからどう接したらいいのかも分からない。
別に未空のことなんて放って置けばいいのだが、いつまでも隣で辛気臭い顔されたらこっちまで本当に病気になってしまう。どうしたものか…。