歪んだ月が愛しくて1



転入して早10日。
朝7時半起きにも漸く身体が慣れた今日この頃。
でもどうしても慣れないのは学校と言う名の集団生活と、そして…。



「お願いリカ!もう一度考え直してよ!」



クラスメイトとの距離感だ。



「無理」



色んな意味で。



「まーたやってるよ、未空の愛の告白」

「熱烈だね」

「しつこいの間違いだろう」

「しつこいんじゃなくて一途って言ってよ!」



このやり取りも何回目だろう。
一週間前に生徒会を辞退して以来、未空は俺が登校するや否やしつこく勧誘して来る。
でも俺の答えは勿論NOだ。



「ね、俺しつこくないよね?一途だよね?」

「それ俺に聞く?」



しつこいか一途かと問われれば間違いなくしつこい。
意味は同じかもしれないが捉え方としたらしつこいの方がしっくり来る。



「俺は一途なの!リカのことが大好きなの!」

「へー」



未空の言葉を適当に受け流す。
「大好き」なんて言われても全然嬉しくない。



「本当だよ!」

「………」



急激に心が冷めていくのを感じる。
寧ろそう言うことを簡単に口に出せる人間は信用出来ないとさえ思う。
そんな自分はどこか可笑しいのかもしれない。


< 84 / 552 >

この作品をシェア

pagetop