歪んだ月が愛しくて1



「ねっ、だから一緒に生徒会やろうよ!」

「無理」

「即答しないで少しは悩んでよ!フリでもさ!」



未空との距離感は特に苦手だ。
馴れ馴れしくて無遠慮に近付いて来るから困っていた。



「未空、そのくらいにしてやれ」

「そうそう。しつこい男は嫌われるぜ」

「無理強いするのは良くないよ」

「無理強いなんてしてないよ!お願いしてるだけ!」



でも、それは未空だけじゃない。
未空の友達と紹介された3人…頼稀、希、葵。
彼等もまた未空同様気付けば俺の傍にいて何かと俺に絡んで来る。
こっちは境界線まで引いて距離を取っているのに人の気も知らないで、いい加減空気を読んで欲しい。



「お願いの限度を超えてるって言ってんだよ」

「まあ、一週間も口説き続けてたら限度も超えるわな」

「いい加減諦めた方がいいんじゃない?」

「諦めない!俺は絶対にリカを生徒会に入れてみせる!」



いや、諦めろよ。
無理って言ってんだから。



「ねぇ、リカお願い♡」

「キモイ」

「何で!?」



駄々っ子のように「何で何で」と繰り返す未空。
仕舞いには「リカにキモイって言われたー。ショックー」と嘘泣きまでしやがった。
そんな未空を無視して次の授業の用意をするためにスクールバッグの中身を確認する。



「次の授業って何?」

「歴史」

「と言う名の自習じゃん」

「自習?」

「紀田先生だからね」

「あー…」



歴史の授業は紀田先生の担当だ。
普段から先公らしくないからすっかり忘れてた。


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